畜産と食品のトピックス (畜産と食品の安全性をめぐるニュース、コメントなど)
2. 病原性微生物の話  
安心、安全な肉、卵の生産を目指し
有用微生物の畜産への応用

SARS禍は私たちにも影響しました。

何人の方にはすでにご案内しています、 東京ビックサイトで6月11日から3日間の「健康食品素材展示会」での、 私の盟友、台湾の林慶福博士の、国際シンポジュウムの講演を、取り止めざるを得なくなりました。

台湾のSARSの感染拡大が来日を断念させました。
そのほうが両国のため、また展示会場の来場者への心配をなくさせると思い決断しました。

多くの来場者への配慮が優先したのです。

ところで、このたびの展示会は、私どもと共同開発している、 資源微生物研究所の新しいバイオに取り組む姿勢と、 これまでの数々のバイオ製品を多くの方々に紹介する目的を持っていました。

その中で開発研究の中心者、林慶福博士の参加取りやめは、大きな損失です。
特に微生物を応用したバイオ技術は、その化学者の感性と経験、積み上げた知識によるところが多いので、
開発の着眼、完成までのご苦労は、本人でなければ説明できないものです。

ことにユニークな商品だけに、残念です。

その分私を始め、日本人スタッフでこれらの知識を熟得し、来場の皆様に説明することになりました。

ご承知のように、微生物が私たちの生活の中に入り込んだ歴史は、かなり長いものです。
味噌醤油、酒、漬物などに代表される、微生物による醗酵があります。

最近は微生物によるゴミの分解、水の浄化、土壌の改良など環境改善エコロジーで脚光を浴びてもいます。
微生物から出来た薬品なども数知れません。

ところで私たちはこの微生物(有用)により、病原性の微生物を抑制するプログラムを持っています。

とくに畜産生産物の病原性細菌を対象に、 動物の体内を通して人間に感染の危険性のある菌の制圧にチャレンジ、すでにかなりの実績を持っています。

サルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌、黄色ブドウ状菌のような食中毒菌は、 動物の腸内で繁殖、卵、肉などの生産物を通じて、食卓へ上ります。
この病原菌を、動物の段階でやっつけて、生産物への汚染をなくそうというプログラムです。

このようなプログラムの発想は、畜産の動物の病気と関係します。

よく肉や卵、牛乳などは、残留薬品があるのではと、心配される向きがかなりあります。
確かに一昔前までは、動物の病気を治療する目的で、かなりの抗生物質や抗菌剤が使用されていました。

現在は、畜産には飼料安全法、薬事法など、薬品を使う場合の取り決めがありまして、むやみに使用は出来ません。
治療薬は獣医師の指示と許可がなくては使えませんし、使っている間の生産物は原則市場に出荷できません。

また卵を産んでいる鶏への薬の使用は禁止されていますし、 鶏肉は出荷1週間前から、全ての薬品は使用していません。
生産者はこれを守るための努力はこと欠きません。

しかし、病気は時と所をかまわず侵入してきます。そして被害をひろげます。

そんな被害を未然に防ぎ、薬を使わずに健康な動物をそだて、 安心して食べてもらう生産物を供給するために、開発した生菌剤(プロバイオティック)が私たちの製品です。
すなわち良い微生物を悪い微生物と戦わせ、微生物による微生物制圧の方法です。

それは林博士と私たちが共同で開発したもので、動物用の生菌剤「サルトーゼ」という商品です。
目下、一部の畜産農家で愛用され、薬を使わない安全食品の生産に寄与しています。(続く)

 

      2004/6/1
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