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林博士は微生物研究者として世界を旅してます。
仕事でも観光でもその目的はさまざまですが、世界各地に足跡を残しています。
そうして訪問した土地、土地でその土壌や枯れ草、水、植物の根、砂、瓦礫などを採取してきてます。
それらの中には、何万、何億という微生物が眠っています。
残念ながら有用微生物はほとんど出てきませんが、ごくわずか有用と思われるものを選別し大事にストックします。
この採取した菌がこの研究所の財産です。
「美しい自然環境の中には良い菌が多くいます」林博士の持論です。
その証拠に排気ガスや、工場排煙、酸性雨などで汚染された土壌からは、活用菌は見つからないようです。
大都市の土壌の中などに良い菌が少ないことは、 その地上で生活する多くの都会人は、悪い菌の影響だけを受けていることにもなります。
人間や動物よりも微生物の方が、環境の良し悪しを見分ける力が、強いことになります。
ただ面白いことには、過酷な環境の中で生き残っていた菌の中に、 まれにすばらしい活性のある菌が発見されることがあります。
その代表例が先週紹介しました、シルクロードの砂漠の中から採取した、畜産用の生菌剤の元菌になったものです。
さらに付け加えますと、畜産用に利用されている菌のひとつに、 北欧の北極圏の寒い凍りつく原野で採取したバチルス属もあります。
そのほかアイスランドの凍土の中、煮えたぎった湯水を噴出する温泉のそばなどにも、 時として驚くほどの活性菌を見つけ出すことが出来るようです。
これ等の菌は、堅い殻に閉じこもることの出来る芽胞菌の仲間が多いです。
それだから過酷の環境に耐えて、世に出るのをじっと待っていることが可能なのです。(続く)
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