畜産と食品のトピックス (畜産と食品の安全性をめぐるニュース、コメントなど)
3. 鶏インフルエンザからBSEまで  
-畜産物生産現場から見た食の安全- (アメリカ牛肉輸入禁止で思うこと)
牛丼を食べなくても困らない飽食日本

市場から安い「牛丼」が消えてしまいました。

新聞やテレビ、週刊誌の話題としては興味があったのでしょう、 連日こんなニュースが、消費者の目に飛び込んできました。

輸入食品でこんな社会性を帯び、話題になった食材は今まではありませんでした。
たかが「牛丼」ではないかと思いたくもありますが、 どっこいこれは今後の輸入食品に対する農水、厚生行政の方向性を決定する出来事と捉えるべきでしょう。

ましてこの背景は「日本の食」の問題であり、 国民一人一人が将来に向かって、どうすれば最も納得の行く食料供給体制をつくれるかを、 問い直す機会になったはずです。

ご存知のよう現在の日本の食料自給率はカロリーベースで40%を切ります。
40年前の昭和40年代は80%ありましたので、その落ち込みようは激しいです。
そのなかで穀物自給率は現在61%となっていますが、飼料穀物を計算に入れますと28%の穀物自給率になります。
卵も肉も全て輸入穀物で生産されていると見ますと、40%の自給率はもっと下廻ります。

現実の問題として、もし世界各地から食料輸入がストップしたら、 街から「牛丼」がなくなった衝撃より、どれほどショックが大きいか、想像をしたことがありますか。

日本の食糧事情とは実際こんな状態なのです。
わたしは幸か不幸か戦中、戦後の食料不足を体験してます。
もしあの頃今と同じように鶏インフルエンザが出たから卵や鶏肉を食べない、 BSEが1頭出たから牛肉を絶対食べないなど言っただろうかとふと考えます。

ところが現在「鶏肉や牛肉を食べなくても他にいくらでも食べ物がある」が前提にありますし、 安心できない危険なものは精神的に許されない、という気持ちがあって拒絶反応するのでしょう。

さらにこれは個人が決める問題ではなく、食品の安全と安心は政府が責任持つもので、 それがギャランテェーできないのなら、それは危険だとする意識が消費者に無いとはいえません。

確かにし食品の安全性は政府の指示により、生産者がその指針に沿って生産物を市場に供給していますが、 それは必ずしも政府の責任でなく、生産者や生産国の問題になっています。(続く)

 

      2004/4/19
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