|
鶏でも豚でも数多くの病気があります。
ウイルスの病気、細菌感染症、栄養障害、原虫病、内部寄生虫、外部寄生虫など、 そのひとつひとつに厳密に対応します。
その苦労と努力は、畜産経営を行った人でなければ理解できないでしょう。
その病気対策の一つにワクチンがあります。
鶏だけでも10種類以上のワクチン投与を必要とします。
ワクチンが開発されている病気はそれ故防御できますが、 そうでない病気は薬品、生菌剤などで防ぎます、だがウイルス性疾患だけは薬がなくワ
クチンに頼るのが現状です。
しかし、残念なことに鶏インフルエンザにはワクチンがありません。
いやあります がわが国では使用許可されていません。
その理由は前回のメルマガで申し上げましたように、農水省の方針です。
このような状況下では、この病気は対策の打ちようがなく、運を天に任すより仕方ありません。
そんな矢先、野鳥のカラスの死骸から、H5N1のウイルスガ検出されたと言うニ ュースは衝撃でした。
カラスに限らずあらゆる野鳥にウイルスキャリアの可能性が あることになりますと、
養鶏家は防ぎようがありません。
政府関係者は「防御ネットを張って、野鳥が入らないように」などと他人事のようなことを言いますが、 養鶏場の規模と建物の状態を見て言ってるのか、またその費用はどうするのか、全く分かっていません。
ただ政府の公式見解として、鶏生産物の肉と卵の取り扱いと、調理についてコメントを発表しました。
無いよりはましですが少し遅いようです。
さらに安全性につい ては疫学的検証をして、 安心して肉卵を食べられることを強調してもらいたいのが 養鶏生産者の願いでしょう。
さらにニュースとして話題性があるのでしょうが、 ワイドショー的取り上げ方をするジャーナリズムにも少し考えていただきたいと思います。
そうして、一人の生産者のルール違反と自殺だけを取り上げないで、 こうなってし まった構造的欠陥も取材して、 制度そのものを改革することが鶏インフルエンザの
みならず、 畜産物の安全と安定供給に繋がることを強調していただきたいです。
3月9日朝日新聞社会面に載った、 あるハム会社の闇ワクチンの問題は、日本の畜産経営の一端を物語る典型でしょう。
法律違反は褒められたことではありませんが、 なぜ法律を犯してまで自分の豚の病気を防ごうとしたのか、 その背景をじっくり見ないと、この問題の解決にはならないでしょう。
世界中でワクチンで防いでいるいろいろの病気は、わが国にも当然あります。
しか し世界で使われているワクチンは日本の検査を通らず使用禁止です。
だが病気だけ は発生し被害が出ます。こんな状態で国際競争には勝てません。
ましてこのワクチンを使った豚肉は、正々堂々と輸入され、皆さんの食卓に上ります。
同じワクチンを正規に輸入して使用しようとしても許可されません。何故でしょうか、私にも分かりません。
同じようなことが鶏ワクチンにも多くあります。
過去に世界で成果を挙げたワクチンが、数年間日本では許可されず、 その間その病気で死んだり淘汰した数は莫大でした。
そのため生産者は被害を黙って受け入れざるをえなっかたのです。
検定審査に時間が掛かるのもひとつの理由でしょうが、要はやる気があるのかないのかです。
被害が出るのは農家であって、当局ではありません。
許認可の権限者の損失にはなりません。慎重に慎重を重ねて、 後で間違いの指摘を受けないよう、自分のミスが出ないように取り計らいますとすぐに1年2年は経過してしまいます。
しかしその間動物は死にます。生産者も生活できなくなります。
そんな状況の中で 肉や卵は作られています。病気も防げないような人は養鶏家になるべきではない、 消費者の安全はどうしてくれるんだとの声も聞きますが、実情をよく認識し理解頂きたいものです。
いまや地方の時代です、 このようなワクチンや薬品、添加物などは、地方行政に任せ、 現場に近いところで、実情にあった最速の判断が出来るようにしなければならないでしょう。
問題が発生した農場の処置は地方の行政機関が行います。
その処置で損害が出れば 地方の財政の中から補填するのでしょう、 またそれが実情をよく知るものの判断として、限りなく正しいものになります。
このように血の通った行政が真の民主主義で、 何でもかんでも中央中心の行政では 硬直化するのではないでしょうか、 消費者に安全を届ける責務も地方に任せるのも大切でしょう。
しかし本当の安全は、個々の生産者の心の中にあることは間違いありません。
|